不用品を処分したいけど、悪質な業者が怖いと思っている方は多くいます。悪質な不用品回収業者に依頼をすると、トラブルに巻き込まれる可能性があるので注意が必要です。この記事では、悪質な不用品回収業者の特徴と、信頼できる業者の見分け方について解説しています。
不用品を処分するときは、安心して依頼できる業者を選びましょう。この記事を読めば、悪質な不用品回収業者とのトラブルを防げるだけでなく、被害にあった際の対処法もわかります。
民間業者の前に行政サービスで代替できないか検討する
不用品回収業者を使うメリットは、申し込み後に短い期間での回収が可能であることです。一方で、廃棄までに余裕がある場合は、不用品回収業者よりも行政のサービスが利用できないか検討しましょう。
粗大ごみとして廃棄する
単純に廃棄するだけであれば、粗大ごみが一番安くなります。市役所・区役所が行うサービスで、財源は税金です。民間企業のように利益を出す必要がありませんので、当然安くなります(※そもそも比較すべきでないというう考え方もあります)。ただし、粗大ごみとして出すには、受付してから保管しておく時間が必要になります。また粗大ごみを収集してくれる場所まで自分で持っていく必要があるというデメリットがあります。
ジモティーのような譲渡の方法を検討する
株式会社ジモティーという民間企業が、各地方自治体と協定を締結しています。ジモティーは、各地域の不用家具等のリユースを推進するためのプラットフォームを提供しており、廃棄量を減らしたい各自治体のニーズを取り込み協定も拡大しています。協定を結んでいるので「行政サービス」に分類しましたが、資源の活用という意味で世の中は進歩していると感じます。
(引用元:ジモティー岡山版)
ジモティーの利用で運が良ければ売却で利益が出来たりします。
悪質な不用品回収業者の危険性
不用品回収業者の中には、悪質な業者もいるので注意が必要です。悪質な業者に不用品回収を依頼してしまうと、大きなトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。
リスクを避けるためには、信頼できる業者を慎重に選ぶしかありません。不用品回収業者とのトラブル事例や悪質な業者が増えている理由を解説しますので、参考にしてください。
不用品回収業者とのトラブル事例
悪質な不用品回収業者とのトラブルで、よくある事例は以下のとおりです。
- 予定より高額な料金を請求された
- 回収した不用品を不法投棄された
- 回収作業中に家財や建物を壊された
- 契約内容が曖昧でトラブルに発展した
- 無許可営業が発覚した
悪質な業者とのトラブルで多いのは、高額な料金の請求です。見積もりでは安い金額を提示し、気付かないうちに追加料金が上乗せされています。見積もりでは1万円の予定が、最終的に3万円以上に増えている事例もありました。国民生活センターに寄せられたトラブル事例も見てみましょう。
事前の説明と異なる高額な料金を請求され、納得できないなら不用品をすべて下ろすと言われた
借りている倉庫内の不用品を処分しようとインターネットで見つけた事業者に電話した。不用品の量を伝えると、「全行程込みの軽トラックパック料金で2万円程度になると思う」と言われた。しかし当日、作業員は2トントラックで来訪し、既に荷台の半分ほどに他の人の不用品が載っていた。2トントラックの料金として5万円、廃棄費用として5万円で合計10万円になると言われたので、「依頼時の話と違う」と抗議した。すると「消費税分だけ減額する。納得できないなら不用品をすべて下ろす」と言われた。やむを得ず支払ったが、請求金額に納得できない。(2022年5月受付 30歳代 男性)
この事例で怖いのは「納得できないなら不用品をすべて下ろす」という箇所です。途中で下ろされても困りますよね・・・。立場を悪用して高額な請求に腹が立ちます。
不用品の量は軽トラック1台分に満たなかったが2台分を請求され、高額で支払えないと言うと、銀行で現金をおろすように言われた
ポストに入っていた不用品回収業者のチラシを見て電話をかけ、冷蔵庫等の回収を3万5,000円で依頼した。数日後、作業員が軽トラックで来訪して不用品を確認すると、価格表を見せながら「5万5,000 円だ」と言われた。さらに「冷蔵庫は一人で運べないので、もう一人呼ぶ」と言い、別の軽トラックで男性が来訪した。不用品の量は軽トラック1台分に満たなかったが、作業終了後に「トラックが2台になったので 11万円だ」と言われた。私が「高すぎる。現金がないため支払えない」と言うと、「すぐ近くに金融機関があるので現金を下ろしてくればよい」と言われた。怖くなって銀行へ行き、11 万円をおろして事業者に渡した。契約書等の書面は一切もらっていない。チラシに記載されていた金額より高額で納得がいかない。今後の対応を知りたい。(2022年6月受付 70 歳代 女性)
35,000円で考えていたものが、11万円になっている事例です。怖いのが、この事例では請求された金額を支払ってしまっているということ。70代の女性だと言い返せないのかもしれませんね。
回収した不用品を、不法投棄される可能性もあります。過去に悪質な業者が、不用品を山奥に捨てて、問題になったケースがありました。不法投棄をされると、依頼した側にも責任が及ぶ場合があります。作業中に、壁や床を傷つけられることもあるので注意が必要です。気付くのが遅れると、修理費用が発生してしまいます。
契約内容が曖昧でトラブルに発展するケースもあります。口頭だけで業者との取り決めをし、曖昧なままで進めるのは避けましょう。後々「そんな話は聞いていない」と言われる場合があります。無許可で営業している業者にも注意しましょう。依頼者が正当な保証を受けられなくなる可能性があります。
悪質業者が増えている理由
悪質な業者が増えている理由は、インターネットが普及して広告を出しやすくなったことです。悪質な業者でも簡単に広告を出せるため、不用品回収を依頼してしまう人が増えています。不用品回収の需要増加に目をつけた悪質な業者が、楽にもうけようとして広告を出している可能性もあります。
法的な規制が不十分なので、法律の抜け穴を利用して、無許可で不用品回収を行う業者も多いです。低コストで業務を始められる不用品回収は、悪質な業者が簡単に参入できてしまいます。不用品回収の相場を知っている人が少ないことも、悪質業者が増えている原因です。
無許可で回収を行う悪質業者が存在する
経済産業省から、家電リサイクル法の注意喚起の動画が出ています。家電リサイクル法によると、一般家庭や事務所から排出されたエアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などの特定家庭用機器廃棄物を廃棄する時にリサイクル料金が発生します。
この動画で、悪質業者の存在が分かりやすく説明されているのでご参考になれば幸いです。
悪質な不用品回収業者の特徴
悪質な不用品回収業者の特徴には、以下の4点が挙げられます。
- 無料回収を宣伝している
- トラックで巡回している
- 訪問営業やチラシで勧誘してくる
- 曖昧な見積もりを提示してくる
無料回収を宣伝している
無料回収を宣伝している場合には、悪質な業者の可能性があります。無料だと思って依頼すると、現地で追加料金の説明をされ、高額な料金を請求されてしまいます。チラシや訪問販売、インターネット広告で無料回収を宣伝している場合が多いので、注意しましょう。
無料で回収した不用品を、不法投棄する業者もいます。不法投棄をされると、依頼した人もトラブルに巻き込まれてしまいます。無料回収を宣伝してくる業者を見つけたら、なぜ無料なのかを確認することが重要です。
トラックで巡回している
悪質な業者は、トラックで巡回している場合が多いです。すぐに契約を取ろうとして、即決を迫ってくるので警戒しましょう。冷静な判断ができない状況で依頼してしまうと、後でトラブルになる可能性が高まります。トラックには「無料回収」や「格安回収」と書かれている場合も多く、信ぴょう性がありません。
トラックで巡回している業者は、名前や連絡先が書かれていない場合があります。正式な許可を取らずに、不用品回収をしている可能性があるので、注意しましょう。身元がわからない業者に依頼をすると、トラブルに巻き込まれるリスクがあります。
国民生活センターに寄せられたトラブル事例にも「名前や連絡先が書かれていない」事例がありましたので紹介させていただきます。後ほど紹介する「見積もりが曖昧」である点も苦情として寄せられていました。
「トラック詰め放題」との広告を見て依頼したら、当日荷台の囲いの高さまでしか載せられないと言われ、断るとキャンセル料を請求された
空き家になっている母の家を整理しようと思い、「○○市 ゴミ回収」とインターネット検索した。出てきたサイトを見ると、「一軒家丸ごと、事業所に最適。2トントラック詰め放題」と書かれており、通常6万円のところ5万円程になるとのことだった。見積もりを取りたいと思い電話したら、「うちは見積もりをしていない。2トントラック詰め放題で、料金はサイトに表示しているプランのみだ」と言われたので依頼した。約束の日時に母の家へ行くと2トントラックで作業員が来訪していたが、不用品を載せることができるのは荷台の囲いの高さまでだと言われた。囲いの高さは20~30センチだ。トラックには一般廃棄物処理業の許可の表示はなかった。詰め放題と広告していながら詰め放題ではなかったため回収を断ると、「キャンセル料1万5,000円を支払え」と言われた。支払わないと作業員が帰らなかったので、しかたなく現金で支払った。苦情を言いたい。(2022年4月受付 50歳代 男性)
訪問営業やチラシで勧誘してくる
悪質な業者は、訪問営業やチラシを使って勧誘してきます。アポなしでの強引な営業も多いため、断りにくい状況に追い込まれる可能性に注意が必要です。
チラシでは「無料回収」を宣伝していながら、後で法外な料金を請求される可能性もあります。連絡先や住所などの具体的な情報を記載していない場合も多いです。
訪問販売やチラシでの勧誘方法は、不用品販売業者の信頼性を判断する際の重要なポイントです。
曖昧な見積もりを提示してくる
明確な料金を伝えずに、曖昧な見積もりを提示してくることも、悪質な業者の特徴と言えます。悪質な業者は、後から追加料金を請求するために、具体的な金額を伝えません。契約前に支払総額を教えてくれない業者にも、注意が必要です。支払総額を聞いておかないと、料金を水増しして請求されるリスクが高まります。
料金を聞いたときに「大体これくらい」や「おおよその目安」といった言葉を使う業者は信用できません。後から言い逃れができる言葉だからです。契約時に細かい内訳を説明しない場合も、悪質な業者である可能性があります。国民生活センターに寄せられたトラブル事例に、料金が25万円になった事例でも「実際に行ってみないとわかならい」と曖昧な見積もり提示がされていることが分かります。
作業終了後に高額な料金を請求されて支払い、「クーリング・オフはできない」と書かれた書面にサインをさせられた
引っ越しに伴い不用品を回収してもらうためにインターネットで事業者を探した。「軽トラックパック7,000円、2トントラックパック2万5,000円」との広告を見て事業者に電話し、「広告のパック料金でお願いしたい」と申し込んだ。「実際に行ってみないとどちらのコースになるか分からない」と言われた。一人暮らしで不用品が少ないため、軽トラックパックになるものと考え、また2トントラックパックになったとしても料金は2万5,000円以上にならないと思っていた。
ところが当日男性作業員3名が2トントラックで来訪し、不用品の積み込みが終わると、料金は25万円だと言われた。不動産業者の立ち合いの予定があり、早く部屋を出なければならないと焦っていたので、その場で親に電話をして送金してもらい支払った。その際、「クーリング・オフはできない」と記載された書面にサインをした。クーリング・オフできないのか。(2022年5月受付 20歳代 女性)
信頼できる不用品回収業者の見分け方
信頼できる不用品回収業者の見分け方は、以下のとおりです。
- 市町村のホームページで検索する
- 許可証の有無を確認する
- 所在地や連絡先を確認する
- 過去の実績と口コミを確認する
- 見積もりの透明性を確認する
市町村のホームページで検索する
不用品の回収を市区町村以外に依頼する場合は、市区町村のホームページや窓口への問合せで一般廃棄物処理業の許可業者を探してみましょう。例えば東京都豊島区のホームページで一般廃棄物処理業を検索すると、270社(2024年8月末時点)の業者が確認できます。
許可証の有無を確認する
不用品回収業者を選ぶ際には、許可証の有無を確認しましょう。許可証を持っている業者は、法的に認められており、適切な方法で不用品を処理しています。許可証の種類は、一般廃棄物収集運搬業と産業廃棄物収集運搬業の2つです。許可証は以下のポイントを確認しておくと安心です。
- 有効期限が切れていないか
- 業者名が実際の業者名と一致しているか
- 写しを見せてもらえるか
所在地や連絡先を確認する
信頼できる不用品回収業者は、所在地や連絡先が公開されています。所在地や連絡先を確認しておけば、実在する会社なのかがわかります。公式ウェブサイトを見れば、電話番号やメールアドレスの確認が可能です。公式ウェブサイトがない場合、名刺に記載されている住所を調べてみる方法もあります。
所在地や連絡先の確認が取れない場合には、悪質な業者である可能性があります。所在地や連絡先を公開しないことで、トラブル発生時の責任逃れができるからです。普通の業者なら、自社の情報を公開して顧客から信頼を得ようとするのが一般的です。連絡先が確認できない業者は、利用しないことをおすすめします。
過去の実績と口コミを確認する
不用品回収業者の過去の実績と口コミを見れば、信頼性を確認できます。サービスの質も同時に把握することが可能です。過去の実績と口コミを確認するには、公式サイトやSNS、Googleのレビューを参考にしましょう。
ユーザーが書いた口コミに、どのような返答をしているかを確認しておくのがおすすめです。ネガティブな口コミへの対応を見ると、業者の誠実さがわかります。口コミに対して態度の悪い反応をしている場合、不誠実な業者だと判断が可能です。
見積もりの透明性を確認する
事前の見積もりに料金の詳細を明記している業者は、信頼できる可能性が高いです。信頼できる業者の場合、追加料金が発生する際の条件も教えてくれます。見積もりの内容が具体的にわかれば、事前に予算の準備が可能です。
見積もりを文書で受け取ると、口頭での説明よりも信頼性が高まります。他の業者と比較して、わかりにくい項目がないかチェックしておくと安心です。
不用品回収業者とのトラブルを防ぐ方法
不用品業者とのトラブルを防ぐためには、以下のポイントが重要です。
- 料金相場を確認する
- 複数の業者から見積もりをとる
- 領収書や契約書の受け取る
料金相場を確認する
業者とのトラブルを防ぐためには、不用品回収の料金相場を知る必要があります。料金相場を知らなければ、提示された金額が適正なのか判断できません。不用品回収の一般的な料金相場は、以下のとおりです。
- 軽トラック1台分:約1~3万円
- 中型トラック1台分:約3~5万円
- 大型トラック1台分:約5~10万円
家電製品や大型家具、特殊な廃棄物(危険物など)を回収してもらう場合には、数千円〜数万円の追加料金がかかります。地域や業者によって料金が異なるので、注意が必要です。
複数の業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取ると料金の比較ができるため、支払いに関するトラブルを防げます。料金だけでなく、サービス内容も比較すれば、業者の信頼性も把握できます。複数の業者に見積もりを依頼する際は、一括見積もりサイトの活用がおすすめです。
見積もり内容を比較して追加料金も確認しておくと、予算管理がしやすくなります。料金の安さだけで選ぶと、サービスの質が悪くなる可能性があるので注意しましょう。相場からかけ離れた料金を提示してきた場合には、悪質な業者である可能性が高いので気をつけてください。
領収書や契約書を必ず受け取る
作業開始前か完了後に発行される領収書は、必ず受け取っておくと、万が一のトラブルを防げます。領収書には業者名や住所、連絡先などの情報が記載されているため、トラブル発生時に証拠として役立ちます。
契約書を作成しておくと、業者が約束を守らなかったときに便利です。契約書には料金やサービス内容、作業日程を記載します。業者とのトラブルが発生したときに契約書を見せれば、適切な対応を求められます。契約書の控えは、自分でも保管しておくことが重要です。
不用品回収業者の被害にあった場合の対処法
悪質な不用品回収業者の被害にあった場合、以下の対処法が有効です。
- 消費者センターに連絡する
- 弁護士に相談する
- 警察に通報する
消費者センターに連絡する
悪質な業者の被害にあった場合は、消費者センターに連絡をすれば、トラブル解決につながります。消費者センターとは、生活に関するさまざまなトラブルを相談できる公的機関です。悪質な不用品回収業者とのトラブルにも、対応してくれます。トラブル解決の専門家から、適切なアドバイスを受けられます。
消費者ホットライン「188(いやや)」に電話をかけると、専門家に相談することが可能です。業者名や契約内容、被害状況を詳細に伝えましょう。提供した情報をもとに適切な助言と対応策を考えてくれます。必要に応じて、弁護士や警察への相談を勧められる場合もあります。
弁護士に相談する
複雑なトラブルや、高額な被害が出ている場合には、弁護士に相談するのが効果的です。法的な観点から状況を分析し、最適な対応策を提案してくれます。スムーズに相談を進めるために、被害の詳細情報や証拠を持参しましょう。
弁護士に依頼すれば、業者との交渉や訴訟の手続きを代行して進めてもらえます。被害額の返還手続きや不当な請求の取り消しを支援してくれます。正しい証拠の集め方まで教えてくれるので、心強い存在です。
警察に通報する
悪質な業者による被害が深刻な場合や、脅迫や暴力行為が発生した場合には、警察への通報を検討してください。警察に通報すれば、自分自身の安全だけでなく、他の被害者を守ることにもつながります。不法投棄や無許可営業などの明らかな違法行為をしている場合は、迷わず110番通報をするのがおすすめです。
警察に通報する場合には、証拠となる書類や写真、録音データを事前に用意しておくとスムーズです。業者とのトラブルが深刻化した際は、適切なアドバイスをくれます。違法行為を発見した際は、早めの通報が大切です。
まとめ
不用品回収業者の中には、悪質な業者も存在しています。悪質な業者の被害にあわないためにも、信頼できる業者の見分け方を覚えておくことが重要です。不用品回収業者とのトラブルを防ぐ方法は、以下のとおりです。
- 料金相場を確認する
- 複数の業者から見積もりをとる
- 領収書や契約書の受け取る
悪質な不用品回収業者とトラブルになると、金銭面だけでなく精神的にも負担が大きいです。トラブルが発生した場合には、この記事を参考にして対処してください。
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